1991年8月28日発売(エルフ)
10人の美少女の救出を目指すシミュレーションゲーム
シャングリラ(SHANGRILA)は1991年にPC98シリーズでエルフから発売されたシミュレーションゲームです。
ここではWindowsに移植されたリメイク版のご紹介と感想を書かせていただきます。
出典:FANZA GAMES
シャングリラのストーリー
主人公のトオルは恋人のナツミと散歩をしている途中で一匹の猫を見つけ、追いかけていくうちにある洋館に入っていしまい一人の老人と出会う。
フェルマータと名乗ったその老人はミズ・ウェルと呼ばれる別世界のヒュンケル王国の魔導士だった。
ヒュンケル帝国は隣国のガルーン王国の「マドゥーの呪い」によって10人の武将の魂が別の世界に飛ばされ危機的状況に陥っているという。
エリオン王子までも呪われ、この世界のトオルの体に入ってしまったらしい。
トオルは王子に代わり部隊を指揮して25日以内に10人の武将の魂の救出することを義務付けられる。
それは自身が消滅する期限でもあった。
シャングリラのキャラクター
主人公のトオルが救出べき武将は10人です。
魂が別世界へと飛ばされた彼女たちは、現在フェルマータの力によって作られた姿で洋館内の各部屋でトオルの救出を待ちわびています。
シャングリラのシステム
まずは各部屋にいる女の子たちから話を聞いた後、任意の部屋を選択してフェルマータから授かった「ペンダントを使う」ことで戦場へと赴き彼女たちの魂を救出します。
部屋の順番はとくにありませんが、シミュレーションパートとなる戦場での難易度が異なります。
シャングリラの戦闘
シミュレーションパートでは最初に出撃する部隊を選択します。
各部隊は攻撃力や防御力だけでなく射程距離や地形による移動距離、相性なども異なるので戦闘前に敵軍を偵察して相性のいい部隊を考慮して編成することが望まれます。
またトオルには支配力(コスト)が設けられ数値内でしか部隊を選択できませんが、成長して最大値を増やすことでより強力な部隊の複数配置ができるようになります。
戦場では草原や橋を駆け抜け、敵軍を全滅するか城を占領することで勝利となります。
砦は傷ついた部隊を回復することができ、敵軍の砦も占領することで自軍の回復ポイントとして利用できます。
ただ、「占領」コマンドは剣士隊か槍隊でしか実行できないので一つの戦場で一人は出撃させる方が安心です。
移動などして自部隊の射程距離内に敵軍が入れば攻撃可能となります。
戦闘は最大8人vs8人のオートで実行され、効果は対峙する部隊の相性が大きく影響し、さらに側面や後方から仕掛けるとより効果的です。
残機0となった部隊は消滅して二度と復活しないので(補充は可能)無理せず砦を利用して部隊を回復させつつ落ち着いて一部隊一部隊撃破して勝利を目指してください。
そして勝利後は洋館の部屋に戻り、魂を解放された女の子からご褒美(CG)をもらえます!
※このゲームは18禁です。
続けて別の女の子の部屋に向かい、最終的に10人すべての女の子を救出するのが目的となります。
なお、このゲームは難易度が4段階まで設定できるのでシミュレーションが苦手な方は難易度を下げてチャレンジしてみてください。(ゲーム開始後は変更できません。)
さらに一度ゲームをクリアするとタイトルに「スペシャル」が追加されます。
ストーリー関係なく新たな20のマップにチャレンジすることができます!
シャングリラの感想
項目 | 評価(5点満点) |
---|---|
システム | ★★★★ |
熱中性 | ★★★★ |
キャラクター | ★★★★ |
音楽 | ★★★ |
難易度のバランス | ★★★ |
オリジナルが90年代発売の古いゲームというのもあり、システム的には非常にシンプルで「戦場の選択」→「戦場で勝利」→「ご褒美CGの鑑賞」という繰り返しとなります。
ただ、女の子は全体的に可愛いですし画面いっぱいで展開される縦スクロールによるご褒美CGの鑑賞はなかなか見ごたえがあります。
ただ、シミュショーンパートはやや難しいです。
同じエルフのシミュレーションゲームである「ドラゴンナイト4」と同様にユニットの相性の差はかなり大きいと感じました。
それにいずれもリメイクしたことで戦場マップは広くなりましたが、シャングリラは狭い道が多すぎなのもやや不満でした。
シミュレーションゲームではユニットの移動時に後ろの部隊が前の部隊を追い越すことにほとんど制限がないのに、このゲームは忍者など一部の部隊以外は追い越すことができません。
一部隊しか進めない橋や狭い通路が長いとなかなか思うように進めず、うっかり移動歩数の少ない部隊を前に置いてしまうと大渋滞が起こり、通る為の入れ替えが大変になります。
そういうのもあってか明らかに空を自由に飛べる(地形効果の制限を受けない)部隊や射程距離の長い弓隊が使いやすく、移動が遅くてなかなか最前線までいけない魔法隊や大砲隊の活躍の場がありません。
ドラゴンナイト4のリメイク版ではレベルによるスキルの取得や種による補正である程度弱点を補填できるようにはなっていますが、本作はそういったものがありません。
各部隊は生存させれば次回以降の戦闘でも使え戦闘を繰り返せば徐々には成長できるのですが、若干攻撃が強くなる以外であまり気にする必要はないレベルです。
シャングリラは一部で粗いところがあるとはいえ、魅力ある10人の美少女もいますしシミュレーションはそれなりに熱中できるので長所も短所も含めてゲーム全体として完成度、面白さは及第点以上といえます。
基本的に敵の方が有利ではありますが、部隊の相性を上手に利用して逆転するなど戦略的要素も歯ごたえのあるシミュレーションを好むユーザーだけでなく、難易度を下げゲーム部分とCGを気軽に楽しみたいユーザーに対してもいずれも満足していただける作品と思います。
クリア後の追加マップがあるとはいえそれでもボリュームに不満がある方は続けて「シャングリラ2」にチャレンジしてみてください。
一作目と二作目がセットになった「マルチパック」もあります。
他にも同じエルフのシミュレーションで後半のストーリー展開が非常に盛り上がった「ドラゴンナイト4」もおすすめできます。
現在は対応OSの理由からご購入はすべてダウンロード版がおすすめです。
ドラゴンナイト4(PC98版、Win版)
ドラゴンナイト4は1994年にパソコンのPC9801用ゲームとして発売され、2007年にグラフィックを中心に大幅にリメイクしてWindows版として復活しました。
個性豊かなキャラクターが繰り広げるシミュレーションバトルも面白いですが、ストーリーの後半に待ち構えてる事実は衝撃でした。(19/10/03)
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